例えばこんな事例が 06/09/01
どうして、今、このような制度がほんとうに必要なの?
あなたは、あなたのご両親に、この制度を勧めますか?
裁判所などの研修のたびに、この質問を、私は繰り返してきました。
返事は、
必要になれば、申請します。という言葉が返ってきます。
そして、
日本はこれから、欧米のような契約社会にどんどん入っていきます。
そういう答えが返ってきます。
そうなのですねえ、昔とは違うのです。
世の中の流れから、そういう感じはします。でも・・とまだ私は思います。
では、
実際の例を紹介しましょう。
◆私が、親の通帳と印鑑を持って、銀行に行き、
まとまった金額を引き出そうとしても、銀行は出してくれません。
本人でなければ出してくれませんね。
本人確認法があるからです。
新規に講座を開く場合も、本人でなければダメですね。
振り込め詐欺などの被害から預金者を守るためですが、
善意の預金者にすれば大変面倒なことです。
銀行によっては、本人の委任状で確認したり、電話で確認を取ることで
便宜を図っているところもありますが、
責任問題になりますから、厳しく対応しています。
こんな時、親が判断能力が衰えていて、私が後見人になっておれば、
どんな高額な金額でも、銀行は出してくれます。
後見人は本人に代わって、本人の利益のために動く者、だからです。
◆高齢のご夫婦の例です。
ご主人は認知症で入院をされているのですが、奥様はその介護をしながら、
パートのお仕事にも出て、平和に暮らしておられました。
そこへ、ご主人の弟が交通事故で亡くなり、遺産相続の話が来ました。
ほとんど行き来がなかったために、事情もよくわからないので、
奥様は、遺産は要りませんと連絡をされました。
ところが、遺産は借金だったのです。
きちんと相続放棄の手続をしないと、こちらが大変です。
認知症のご主人に代わって、印鑑を持ってすぐに手続に行かれたのですが、
相続人はご主人であるため、奥様が変わりに手続はできない、と言われました。
奥様がご主人の法定後見人の申し立てをして、この手続を行うことになります。
思いがけない出費ですし、
平和なご夫婦に本当に思いがけない騒動でした。
◆田舎で一人暮らしのお母様が、脳梗塞で入院されました。
なかなかリハビリも思うようにならず、判断能力回復も難しそうです。
東京に居られる息子さんも、お仕事がありますので、
東京の病院に転院されることになりました。
この際、実家も処分をすることになり、
知り合いの不動産屋にその旨依頼されました。この家の名義はお母様です。
「あんたが長男やいうことはようわかってるんやけど、
このとおりうちもお蔭さんで大きい会社になったもんでなあ。
名義がお母さんやから、面倒やけど、兄弟で相談して、
後見人をたててほしいんや」
◆長年にわたって、自分の所有するアパートを管理している父親は、
自分の万が一を考えて、近くに住む長女との間に、
任意後見契約を結んでいました。
最近、認知症の症状なのか、アパートのことも忘れてしまっていることがあるため、
長女は、任意後見契約書を持って裁判所に行き、その旨伝えました。
家庭裁判所の審議を経て、任意後見監督人が選任されて、
任意後見がスタートしました。
いかがでしょう?
もしかしたら、こういう状態って起こる可能性はありませんか?
家族の中の全く善意の行動も、契約を、法律やから、と言われることは
寂しいことですが、世の中はこのように流れています。
高齢者を、悪質商法の被害から守るために、この制度を使いましょう、と
新聞などにはよく出ていますが、
なかなかそのために、申請する家族は少数です。
ほとんどが、先のように家族間の事例です。
うちには関係ないもんね、
ま、そんなこと言わないで、今度ニュースや新聞に出ていたら
ちょっと興味を持ってみてくださいね。
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