新入社員研修いまむかし 07/04/13

ある企業の新入社員研修で、消費者問題の講座を依頼され、
JRで桜のトンネルを潜りながら出かけました。


対象は、これから電気関係の工場に勤務する、
高校を卒業したばかりの男女15名、大学卒業の1名です。
2週間前に、総務の担当者と打合せをしました。

「地方都市の高校を出たばかりの子どもが主ですので、
 しっかり契約の話をしていただきたいと、
 今年度初めて、市にお願いしました。」
と言う事でした。

市職員の方の車で企業団地にある会社へ。

「起立!礼!よろしくお願いします!」
2週間の研修最後の講座と聞いていたので、
元気溌剌、やる気満々、和気あいあいで出来るなと、
楽しみにスタートしました。
が!・・・・・!!

何の話?うーーん?というような顔ばかり。
こちらが、アレッ!う?!これは何?と慌ててしまいました。

白けているというのではなく、やる気がないというのでもないのです。
全く、紹介するような事例に会った事がない?
この話、興味があるのかないのか、表情が変わらない、う?
ドラマの中の話、なのでしょうか。
ありゃーこれはどのように話を持っていけばよいのか。

「兵庫や京都、大阪の地方都市で生活をしてきた子ども達です」
とは打合せに行った時に聞いていますが、
地方都市とはいっても、
その地方のセンターにも被害相談は多くあることなので、
耳にすることはあるでしょうし、
これだけ事例を話せば、興味を持ってもらえると思うのですが・・・。
表情が変わりません。ありゃまあどうしよう・・。

うーーー、それならばと
話す内容も何もかも、ひらがなで話す、
という気持でやることにしました。

何とか少しは、尋ねたことに返してくれるようになりました。

ロールプレーは、全員が参加できるように、
人数分のシナリオを用意していました。
恥ずかしがってなかなか出てくれませんでしたが、
「全員の分用意してありますから」と言うと、仕方がなさそうに出てきて、
やり始めると楽しくなったようです。

騙されやすさ貴方はどのタイプ?というチャートをやったのですが、
見事に全員が、
「安心です」の旗にたどり着く、という
どこまで行っても、天真爛漫の子ども達でした♪

帰りの電車で、アンケートを読みながら、
もう笑ってしまいました。

・げきみたいな事をやって楽しかった。
 もっと堅苦しい話だと思っていたけど全然そんなんではなかったので
 もっと聞きたかった。
・いろいろなパターンの悪質商法について知ることが出来てよかった。
 引っかからないように気をつけようと思いました。
・楽しく出来て良かったです。これからも頑張ってください。

・良かったです。研修の中で今日が終わりなので、
 やっぱり一番よい研修が最後に来ているなあと思いました。
・とてもわかりやすかったので、この話をいろいろな人にしてあげてください。
 こういう先生ならもっと勉強したのにと思いました。
・楽しくいろいろなことがわかって良かったです。
 最後のお金の話をもっと聞きたかったです。
・今日の話は全部忘れてもいいから、消費者センターのことは覚えてください、
 と言われたから、消費者センターのことは覚えておこうと思います。
などなど。

こんなことを書いてくれるなら、講座中にもっと反応してよ!
ホッとしたというか、グッタリしてしまったというか・・。
おいおいと、笑ってしまう感想あり、
女の子でしょうか、丸文字の文章の終わりには、
ハートマーク、ニコニコマーク、ビックリマークが満載でした。

今、世の中で活躍されている技術者も、きっとスタートは同じです。
今日出会った彼らも、
素晴らしい技術者に育っていかれることと思います。
そんな彼らのスタートに、私との時間が少しでも役に立ったとすれば、
ほんまに嬉しいなあ、と思います。

新入社員の研修は、
都市部出身と地方出身、18歳と大学で4年、6年を過ごした後、
企業の所在地がオフィス街が企業団地か、専門職か否か、等によって、
全く違います。

新人は皆、
元気溌剌オロナミン!やる気満々、礼儀正しく、ニコニコ元気、
と思っていますが、これまた違います。
バブル期と超氷河期の新人も違います。

ずっ以前、企業に勤務している頃、新人の研修で、
「どのような試験なのですか、今時は」
と何気なくたずねた時、
「特に試験なんてやったかなあ、知らない間に決まってましたぁ」と、
笑いを誘うように答えた新人がいました。

時間が終わってから、私は彼に言いました。
「ああいう言い方は、我々先輩に対して失礼です。
 また、この企業を受けた多くの学生に対して大変失礼な言い方です。
 それに、企業の研修は、お金を貰って勉強させてもらっているのです。
 お金を払っている大学とは違うのです。」

バブルの頃の話です。

時が流れて、場所も変わって、今回の新人研修でした。

総務の担当者から、
「・・・・・・子ども達の態度を申し訳なく思います。
 しかし、生活に密着した内容で、とても関心をもった様子が、
 提出のレポートから見て取れました。
 来年もお願いしたく思いますので、
 どうぞよろしくお願いいたします。・・・・・・」
と、丁寧な礼状を頂きました。

今あちらこちらで、こんな光景が繰り広げられているのでしょう。
桜も満開です♪

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