昭和33年に発行された本 2010/03/28

食や農に関して勉強していても、私の関心はその歴史に向きます。

賞味期限や遺伝子組み換えや添加物、廃棄食品などいろいろ問題はありますが、
そんなことより、面白いのは食の歴史。
特に、昭和29年、アメリカから大量の小麦が日本に届いたことが、パン給食になり、
パンを食べると頭がよくなるキャンペーンが日本人の朝ごはんを変えた、とか。
とても興味があります。

もし私が、その時代に母親で小さな子どもを持っていたら、即、パン!だったと思うのです。
そんな反省も込めての気持ちでしょうか、
ほんまかな?なんで?の思いから、その当時のことを調べました。

昭和33年に出版された、
慶応義塾大学大脳生理学者の林教授が書かれた「頭脳ー才能を引き出す処方箋」が、
当時50万部のベストセラーになったことを知りました。
賢いお母さん達が買われたのでしょうか。
どんなことが書いてあるのかな、読みたいな、と図書館に行きました。

司書の方の、
地下の倉庫にあるようです、しばらくお待ちくださいね、の言葉に、
へーーあるんだぁ!とまずびっくり。
そして、出てきた本は、時間の経過を教えるように、触るとポロッと崩れるような、
そんな黄色っぽく変色した新書版でした。
古いので気をつけて下さいね、と図書司書の方も、大事そうに渡してくださいました。

出版社は光文社、あのかっぱブックスです。びっくりしましたぁ、
光文社って新しい出版社だと思ってました。
こんな頃からかっぱがあったのですねえ。びっくりです。見直します。
帰りの電車のなかから大事に大事に読みました。

「白米で子どもを育てるということは、その子どもの頭脳の働きを出来なくさせる結果となり」とか、
「子どもに与えると頭がよくなる粉は味の素」とか、
そんな日本の伝統食をゆるがすことが書かれていると聞いていたのです。

しかし、私が読んだ理解では、そのような過激な言葉には読めませんでした。
確かに、米と麦には、それぞれ胚がある場所が違うので、
米のほうが精米をすれば胚が削られやすく、麦はそうではない、と書かれてはいます。
グルタミン酸が頭にはよい、それを口から直接とろうとすれば味の素、とは書かれています。

この本が、戦後の日本の食文化崩壊の後押しをした、
と言われているのを知って読みたいと思ったのですが、
読後感は、それ程過激とは思いませんでした。時代でしょうか。
多分、当時、この本の宣伝や腰巻のキャッチコピーが、
今で言う、頭がよくなるなんとかのように、
頭の良い子は米よりパン!とか書かれていたのかもしれません。

それよりも、黄色くなってポロッと外れそうなこの本の、
あちこちに、鉛筆で線が引かれたり、几帳面な字で37・2・26読と書かれていることに、
ふーん37年かぁ、どんな人が読まはったんやろ、と
そちらにいたく感動した23年生まれの私です。

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